ヴァイオリン– category –
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2024年のクレモナ・ムジカ(モンドムジカ)
例年通り、9月の最終日曜日を含む金曜日からの3日間、クレモナのFierra di Cremonaで欧州最大級の楽器展示会が行われました。2015年に初めてクレモナムジカを訪れてからコロナ期間中以外は毎年通っていますが、この10年間でかなり様変わりしています。 毎度恒例の初日の列。ここからは大きさはわかりませんがとても広い展示場が二つ使われています モンドムジカの前身はクレモナ市内で行われていた弦楽器製作者の展示会ですが、次第に規模が大きくなり、ピアノやギターなどの展示も行われるようになり、近年は管楽... -
トリエンナーレ2024
今回は少しクレモナのレポートをしっかり書いてみようと思います。 最初はトリエンナーレです。ことしは3年に1回のトリエンナーレの年でした。 Triennaleとはイタリア語で「3年に一度」という意味です。英語だとtrienrial。2年に1度だとbiennaleです。もともとは美術博覧会を指したようですが、クレモナでは現在は3年に一度制作コンクールが行われているので「トリエンナーレ」が固有名詞のように使われています。 表彰式はポンキエッリ劇場で行わわれます。今回はボックス席でした。 トリエンナーレのシステム... -
ヴァイオリンを弾きたくなった!!
ブログを更新する気持ちになれず、ほったらかしでしたがいくつか取り上げてみようと思います。ひとつは「ヴァイオリンを弾きたくなったこと」お前はプロだろ、という突っ込みはなしにしてください(笑) 僕にとってはとても真剣な話です。これまで15年くらい、実はヴァイオリンを「自分のために」弾くことが苦痛でした。何かを練習しようとすると、常にチェックモードになってしまいます。曲を練習していても、「このフィンガリングなら手の小さいあの生徒は弾けるかな」とか「このボウイングだとあの生徒は難し... -
オールドか、モダンか・・・ヴァイオリン博物館のコンサートで思ったこと
ここ何年か、「ストラディバリとモダンのどちらがよいか」という話題を目にします。フランスでの実験が5月にも読売新聞に掲載されましたが、パリ大の研究者は何年も続けてこうした実験をしていて、いずれも現代楽器に軍配が上がった、との報道がなされてきました。以前からこの実験結果には疑問を感じていたのですが、クレモナで聴いたコンサートで、まさに感じていた疑問の答えが出たような気がしたので、少し長くなりますがまとめてみます。 聴いたコンサートは、博物館恒例のお昼のコンサートです(毎日で... -
St. Rita教会コンサート
22日のメンバーとの会食。背景には塔が写っています 今回の企画の発端となったSt. Rita教会でのコンサートは、私ひとりの思い入れからスタートしました。当初は、クレモナの楽器を集めて、私が率いてヴィヴァルディやコレッリなどバロックをやろう、と思っていたのですが、2月にクレモナを訪れてから、考え方をかなり修正しました。理由は、二つありました。 練習の総指揮を取っていただいた津留崎さん。要求は厳しく、何度も何度も修正を繰り返しました ひとつは、ワークショップがかなり大掛かりなものに... -
講演はイザイとは・・・しかし、素晴らしい若手の演奏家に出会いました
11日に、大阪の藍野大学で行われた講演会&コンサートに出かけました。 ●心理学と医療と音楽の融合について・・・「イザイの音楽の心理的考察」前半は、藍野大学学長の武田雅俊氏の講演。表題から想像されるものではなく、イザイとは全く無関係の内容に、正直、かなり落ち込みました。表題から期待したのは、・イザイの音楽はなぜ、どのように人に訴えかけるのか、を、音楽的、楽理的ではなく心理学的考察によって読み解く。もちろん、「情緒的」「ロマンティック」などの説明ではなく、「音楽が人にどのように影... -
つかの間の休日・・・でもやることは同じ(笑)
公私ともにお世話になっている大三元さんのお誘いで、土曜日に甲斐大泉にあるペンション、ハイム・デ・パウゼにお邪魔させていただきました。大三元さんの会社員時代の同期のご友人を中心にした、総勢20名ほどの集まりです。弦楽器を弾く人あり、クラリネット、ギター、リコーダー、歌、それにプロのシャンソン歌手もまざって、まさに音楽三昧の1日(半日)でした。 以前からお誘いを受けていたのですが、最近の「超多忙」で土曜日が休める日が全くなく、秋の小さなコンサートが流れて空いた隙間に、私に合わせて... -
ボウイングと呼吸
ヴァイオリンを弾く時の「呼吸」について、最近入った生徒さんからいくつかの質問を受けました。簡単ですが、少し触れておきたいと思います。 1)ヴァイオリンを弾く時に意図的に呼吸することは、基本的にはないものと思うこと いまだに、「ダウンは息を吐く、アップは吸うこと」という指導を受けている生徒さんが多いことに驚かされます。中には、最初の開放弦のボウイングで、「ダウンは吐いて、アップは吸って、できるだけ大きく呼吸をして自然に弓が上下するようにしましょう」という練習をさ... -
表現することは準備すること
久しぶりに、音楽日記を更新します。 震災以来、公私ともにさまざまなことがあり、なかなかブログを更新する気になれませんでした。その間に、私を取り巻く環境も少し変化しました。これからは、短くても少しずつ更新しようと思います。(仕事の合間の休息、または「逃避」かもしれませんが/笑) 今日のテーマは「表現することは準備すること」 発表会(今年は残念ながら中止になってしまいましたが)やアンサンブル合宿をやっていると、生徒たちが少しずつ成長していることがよくわかります。最初は楽譜を追いか... -
フォーカル・ジストニアとの闘い(F君の事例)
(序)フォーカル・ジストニアとは フォーカル・ジストニアという言葉をご存知だろうか。直訳すれば「局所性ジストニア」という意味だが、特に音楽家の運動障害(コントロール不全)に使われている。 ジストニアは、医学的には神経障害(中枢神経系のなんらかの障害)によって「意図しない」筋収縮が起こることにより、運動がコントロールできなくなったり動けなくなったりする症状を指す。代表的なものは「書痙」と呼ばれる症状で、文字を書こうとすると、手が震えたり、手首が動かなくなったり、痛みを生じたり... -
フォーカル・ジストニアとの闘い2
【2】症状 最初の症状は、フィジカルな問題(腕の筋肉の硬化)が原因であるものが含まれていた。手を触ってみて、簡単な動きをしてもらうと、その症状は以下のようなものが代表的だった。 ① 両手を前に上げ、肘を伸ばして手を振ってみると、左手首は緩んで手部が落下するのに、右手は手首がめくれ上がったまま止まってしまう。そのときに、前腕部の硬化した部分周辺が、激しく動いて(不随意の運動)、停止する。 ② そもそも右手首の可動域が極端に狭くなっていた。 ③ 右手でものをつかもうとすると、自然に手... -
フォーカル・ジストニアとの闘い3
【4】フィジカルな問題が解決する方向が見えるまでの2ヶ月間 この時期(12月後半から2月初旬まで)が、本人にとっては一番辛かったのではないかと思う。自分の方法論を完膚なきまでに否定され、私のトレーニングメニューに完全に従ってもらうまでの時期なのだが、涙を流したことも1度や2度ではなかった。「こんなことをやっていたら、いつになっても弾けないんじゃないか・・・」と諦めかけたことも1度ならずあった。私自身、「必ず治る」と言えない状況の中で、苦しみを長引かせることになるのではないか、... -
フォーカルジストニアとの闘い4
【6】姿を現したフォーカル・ジストニアの「本体」 3月に入ってしばらくすると、関節の状態や運動が明らかに変化を見せた。各関節が少しずつ柔軟性を取り戻し始め、手首の可動域も広がってきた。腕を振り上げて水平に静止させた時に、右手首も左手首同様、下に落ちるようになった。これが、私が欲しかった最初の結果だった。これで、私は当初の仮説が正しかったことを、ほぼ間違いないだろうと思えるようになった。 ************************** ●3月5日 各トレーニングのチェック ... -
フォーカル・ジストニアとの闘い(最終)
【7】一進一退のボウイングのトレーニング この段階で彼に課したトレーニングは、以下のようなものだった。 1)各種のストレッチ。柔軟性を失わないように、これまでのトレーニングをセレクトして続けてもらった 2)サポートをしてもらって、ボウイングの動きを再現すること 3)ひとりでアップだけのボウイングをすること 私の目的は、彼がフォーカル・ジストニアを発症した時点での「最初のフィジカルな反応」を見つけ出すことにあった。これまでさまざまな人たちのレッスンやリハビリをしてきて、フィジカル... -
体の本がようやく出版になります
爆忙の一ヶ月がすぎて・・・いよいよ11月初旬に体の本が出版されます。 しばらく、ブログ/Facebookの更新ができませんでした。新著の制作の最後の最後に大トラブルがあり、その修正にとんでもない時間がかかってしまったからです。この歳になって、一週間で3回の徹夜をしてしまいました・・・ 出版を企画したのはもう7年も前のことです。それから原稿を書き始め、1年ほどかけて「超大作」が出来上がりました。その原稿を出版社の社長に見せたのですが、「だめだ・・・頭痛がしてきた。よめん!」 今になって... -
恥ずかしい話ですが…
お酒が好きな私は、酒にまつわる失敗をよくします。最近でこそ無茶な飲み方をしないのでほとんど失敗はなかったのですが、久々にやってしまいました。 数日前のこと。ちょっと美味しいお店に行って、料理とワインを楽しみました。普段はワインは赤に決めていて、ボトル1本から1本半くらいは平気で飲むのですが、この日は料理との兼ね合いで最初に白ワインを飲みました。ご一緒させていただいた方達があまり飲まないので、1人で「ぐびぐび」。そのあと、お待ちかねの赤でまた「ぐびぐび」。かなり疲れていたらし... -
今回のクレモナでの工房訪問1
今回はワークショップとコンサートがメインで、工房めぐりはコンサートからモンドムジカまでの間にいくつかの工房を周ることができました。今回は、Matteoさんに車を出していただけたので、クレモナ市街だけでなくクレモナ郊外やクレモナ県Crema(クレモナの西北、ミラノに近い。クレモナの半分くらいの人口のコムーネ)まで足を伸ばすことができました。 (注)コムーネ:イタリアでの行政区域の最小単位。日本なら「市区町村」に当たりますが、イタリアでは大きさによる区別はなく、市も村も「コムーネ」と呼... -
今回のクレモナでの工房訪問2
時間が前後しますが、コンサートの翌日、Manuel di Landaさんの工房を訪ねました。Landaさんはミラノ出身で、昨年9月にクレモナを訪問した時に永石さんに紹介していただいた(https://maki-music2.com/blog/2015cremonafood/)、製作家兼リペアラーです。今回はワークショップにも参加してくださって、そのお礼も兼ねてクレモナ市の中心から少し離れたところ(徒歩10分くらい)にある工房を訪れました。 Landaさんの自宅兼工房の入った共同住宅の中庭で クレモナ市内中心部の家は、ほぼ全部が共同住宅です... -
Cremona Toolsと素敵な工房ととっても恥ずかしかったお話
工房訪問記に書こうか迷ったのですが・・・ Cremona Toolsの看板。この建物の中には、Ciaccioさんの工房以外にも弓の工房などもあって、ずっと音が聞こえていました モンドムジカは初日に一回りして、その後、Cremona Tools(楽器の製作用具を売っているお店)でお買い物。(結局求めたものがなく、11月の弦楽器フェアに来日(帰国?)するMaestra Chikako Hayamaに持ってきてもらうことにしました)。 製作用の木材も。でも、モンドムジカの時はモンドムジカの中の材木屋で買うことが多いようです Cremon... -
モンドムジカや楽器の展示会のこと、モンドムジカでのエピソードいくつか
今年もやってきましたモンドムジカ モンドムジカは、クレモナ最大の催し物です。今年は9月30から10月2日までの3日間、クレモナの市街地から車で5分ほどの巨大な展示場で行われました。モンドムジカ開催中は、ホテルの宿泊料も普段の2倍くらいになるのですが、それでも市街地のホテルは3ヶ月前からほとんどいっぱいで、「車で15分」なんていうホテルしか空いていない状態になります。今年は、5月に目一杯(クレモナに行った全員分)を仮予約しておいたのですが、それでも30日の宿泊は取れず・・・... -
音感について・・・絶対音感は邪魔になる!
最近、いわゆる絶対音感について改めて「邪魔になる」例が二つでてきたので、ご報告します。 音感とは何か、ということは、サイトでもストリング誌やサラサーテ誌にも何度も書いていますので、簡単に。詳しく読みたい方は、サイト内を検索していただければいくつかヒットします。これが簡単にまとまっているものです。 音感とは、本来は音の性質(高さ、大きさ、種類など)を理解できる力ですが、一般的には「音の高さを判断する」意味で使われています。今回のレポートは、この「音の高さ」についてです。 ... -
大阪でのセルフ・チューニング講習会の様子
11日にはもう一つ、大阪で講座を行いました。坂本音楽スタヂオさんの主催で、『楽器の簡単な調整と音の違いを知る』という講座です。参加者は楽器の調整を行う受講生が11名、聴講生がお二人。私のスタジオ、クロサワバイオリン、と2回にわたって同様の講座を行ってきましたが、今回も楽器の音が大きく変化することを皆さんに確認してもらえました。基本的には、「何が不満ですか?」と質問して、その不満を解決する、というスタンスでしたが、それだけでなく「もっとこうした方がいいと思います」という提案もし... -
あっと驚きの松脂
今日は松脂の話です。 モンドムジカでは昨年から見かけて気になっていたのですが、値段に臆して買っていなかった松脂がありました。楽器と弓以外のアクセサリーなどにはある意味で無頓着な私ですので、よほどのことがないと一生懸命試したりはしません。生徒のためには必死に探しますが(笑)弦でも、生徒やサラサーテの編集部、楽器屋に言われて試してみる、という受け身ですので、そちらについても積極的に試してみる派ではありません。 今年のクレモナでのことです。10月いっぱいでオーナーが交代したLocanda T... -
AIとヴァイオリン
高校の同期会で、日本のAIの第一人者である松原仁函館未来大学教授と少しお話をすることができました。普段から活躍ぶりをFacebookや報道などで見ていたのですが、私もとても興味がある分野で、話ができることをとても楽しみにしていました。宴席でのことですから、もちろん真面目な議論(議論なんかできるわけないですね/笑)ではありませんが、少しばかり興味深いことがありました。 AIが日本(だけでなく海外でも)で大注目されるようになったきっかけは、昨年、グーグルが開発している人工知能が韓国のト... -
若者たちの楽器展に行って来ました
昨年に続いて、イタリアで学んだ若手製作家の展示会「Violin exhibition 2017」にでかけました。場所が谷中なので、スタジオからも近いので、レッスンの空き時間に行くことができました。 日暮里駅から歩くのですが、駅には「谷根千調査隊」の「ねこ」ポスターが(笑)思わずじっくり見てしまいました。スタジオ周辺(駒込)も下町らしく地域ねこが多いのですが、谷中はとても有名な「ねこスポット」です。今回は出会えませんでしたが・・・ ... -
モンテヴェルディ&カラヴァッジョ・・・ヴァイオリン博物館特別展
5月のクレモナ訪問で、ヴァイオリン博物館の「モンテヴェルディとカラヴァッジョ特別展」を見てきました。博物館職員の安田恵美子さんにガイドをしていただき、じっくりと見ることができました。実は、今回のクレモナも思いの外忙しく、「9月までやっているなら9月にしよう」と思ったのですが、特別展は7月23日まで。会食後の飲酒モードで失礼いたしました(汗) ご存知ない方のために、簡単に説明しておきましょう。 モンテヴェルディ(Claudio Giovanni Antonio Monteverdi/1567 - 1643)は... -
2017クレモナレポート1/モンドムジカ
9月16日から10月1日まで、クレモナに行ってきました。たくさんの出会いがあり、今回も多くの出会いと収穫がありましたが、いくつかに分けてレポートしようと思います。写真の都合(自分で撮れかなったものはまだ手元にありません)ので、あるものから順にレポートします。 最初は、2017年のモンドムジカ(Cremona Musica International Exhibitions)http://www.cremonamusica.com/en/la-manifestazione/のレポートです。 クレモナ・モンドムジカは、もともとは市内で行われていた製作家の展示会だったそう... -
クレモナレポート2/楽器の変化を見るのは楽しい/見つけた楽しみな若手たち
今回で7回目のクレモナですが、毎回のように訪問する工房もあります。「来てね」ということもありますし、押しかけることもあります。いずれにしても、続けて訪れていると、さまざまな変化を感じることができることが大きな楽しみです。製作者は良い楽器を作るために日夜努力していますが、その結果の現れ方はそれぞれです。スタイルが完成し、どの楽器も同じように高いクオリティで作れるようになるまでには長い時間がかかるのが普通ですので、その間の変化を見ることも楽しいのです。いくつかの例をあげてみ... -
ベッヒシュタインとチェンバロ、クレモナの楽器のサロンコンサート
昨日、実家でサロンコンサートを行いました。ご来場くださったみなさまに、深く御礼を申し上げます。 共演していただいたのは、古典鍵盤楽器奏者として活躍している筒井一貴さん。曲目は以下の通りでした。 ・ヴィヴァルディ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集作品2より第2番 ・モーツァルト:クファヴィチェンバロとヴァイオリンのためのソナタ K.304 ホ短調 ・ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第4番 ハ短調 ・シューベルト:ソナタ「アルページョーネ」(ヴィオラ) ・アンコール:ベートー... -
ストラディヴァリ「San Lorenzo 1718」披露カンファレンスとコンサート
日本のコレクターが所有するStradivari San Lorenzo。作られたのがちょうど300年前の1718年で、今年のストラディヴァリフェスティヴァルに合わせて「里帰り」しました。10月中は東京で行われるイベントのために再び日本に戻りますが、基本的には来年まで1年間、クレモナのヴァイオリン博物館に展示される予定です。それを期して、9月16日に博物館でカンファレンスと小さなコンサートが行われました。 ヴァイオリン博物館 カンファレンスは、ヴァイオリン博物館内の第10展示室で行われました。この展示室は、... -
肩関節の可動域
最近、肩関節の可動域が非常に狭い人が多くて驚いています。レッスンを始めるときに、怪しいと思ったらチェックしているのですが、それにしても狭すぎる人が多いのです。 肩関節の可動域を調べるときには、写真のように肩口を押さえて上腕を持ち上げてみます。肩関節だけの可動域は、理論値としては120度。これに、肩甲骨の上方回旋運動の60度を加えて、腕は180度上がるわけですが、腕を上げるときに肩甲骨ごと持ち上げる(挙上運動)動きを加えると、肩関節が十分に動かなくても腕は180度近くまで持ち... -
人工知能とヴァイオリン
グーグル傘下のベンチャーが開発した「アルファ碁」が世界ランク5位のイ・セドル九段に4勝1敗で勝ち越したことは皆さんもご存知だと思います。(毎日オンラインの記事) トヨタのヴァイオリンロボット。なかなかのものですね。 私は囲碁が大好きで、昔は武宮正樹さんの「宇宙流」「自然流」のファンでした。じっくり勉強する時間がなく、なかなか相手もいなかったのでもっぱら新聞の囲碁欄が楽しみだったのですが、武宮さんが出てくると時々ならべてみたりもしていました。関西棋院の新聞での段位判定も初... -
成長期の習慣と手の形
最近ヴァイオリンを始めた方(30代、男性)が新しくレッスンに来られました。ヴァイオリンを弾くために必要身体の使い方を説明していて、ヴァイオリンを構えたときに左手の手首が大きく曲がっていることに気がつきました。実際に楽器を弾くときに、左手を小指側に曲げている人はたくさんいます。 弾いているときはこのように手首がまっすぐであることが望ましい このように手首を小指側に曲げて弾いている人が多い 取り上げた二つの写真は、楽器を弾いているときの左手の状態です。写真はわざと形を作って(壊... -
イタリア旅行2 モンドムジカ・・・その1
イタリア二日目の朝は、一睡もできずに明けました。いつでも、どこでもすぐに寝られる人なのに、どうやら結構ひどい時差ぼけのようです。昔はまったくなかったのですが、適応力が衰えているのでしょうね。あれこれと調べ物をして、今日に備えました。でも、とっても元気です。 広大な敷地の中にある流通センターのような建物が「それ」です 今日は、クレモナで毎年行われている「モンドムジカ」を見るのがメインです。日本の「弦楽器フェア」と全く同じようなスタイルですが、目的も趣も少しばかり違いま... -
「楽器の調整」講座が終了しました
昨日、「楽器の簡単な調整と音の違いを知る」と題した講座を行いました。定員20と考えていたのですが、参加者は18名。丁度良い人数で、ぴったり時間通りに終わりました。参加してくださった方、ありがとうございました&お疲れ様でした。 講 座は、まず楽器の音を変化させる要素を、駒、魂柱、テールガット、弦の張り方の4つに分けて解説し、その中で自分でできること、できないこと(技術者にま かせるべきこと)を切り分け、持参していただいた楽器を1台1台、調整していきました。魂柱は(動かせないこと... -
ヴェンゲーロフのこと
数日前、ヴェンゲーロフのテレビ番組がありました。ヴェンゲーロフといえば、幼少の頃から「天才ヴァイオリニスト」として名高く、小学生の年代でワックスマンのカルメンファンタジーを録音しちゃう、という強者。私もずっと注目していたんです。 番組では、バッハのシャコンヌとブラームスの3番のソナタをやっていました。番組を見て、はっきりいってショックを受けてしまいました。 バッハは、バロックボウイングでの演奏。恐らく、楽器にもガット弦が張ってあったのでしょう、見る見るうちに音程が狂ってくる... -
弦が切れた話
本番の最中にいろいろなトラブルに巻き込まれることは、よくあります。特に、弦が切れた話はよく聞きます。みどりちゃんは、コンチェルトで2度も立て続けに切ったことがあるそうです。平然とリーダーの楽器を取り上げて引き続けたとか。やっぱりすごいですね。 ◎ リサイタルで・・・プロの演奏家のケース 先日、私が最近レッスンをしていただいた先生の演奏会に行きました。とっても「力演タイプ」の先生で、迫力十分。休憩後の最初の演目は、ラヴェルのヴァイオリンソナタでした。その2楽章のこと、激しいピツ... -
ドレ会の後継者たち?
先日、レイトスターターが主催している合奏のオフ会に参加した。主催しているのは、ヴァイオリンを始めてまだ日の浅い女性。 主旨は、 アンサンブル・アプリコット・・・ 「弦楽器初心者だけど、合奏をしてみたい!」こんな思いから生まれた弦楽合奏の集まりです。技術的に取り組みやすい曲を選んで和音の美しさや、掛け合いの楽しさを、分かち合っていきましょう♪ 〜いつ合奏するの?〜 2か月~3か月に1度くらいのペースで、週末を利用して、半日程度の予定です。 〜どこで合奏するの?〜 ... -
都島ストリングス演奏会
10月19日に、大阪で活動している都島ストリングスの演奏会に出演させていただいた。演奏会でソロを弾くのは20年振りで、実に貴重な経験をさせていただいた。都島ストリングスの皆さん、指揮者の坂本さんには、心よりお礼を申し上げたい。 曲が「ヴィヴァルディのイ短調の協奏曲」という、ヴァイオリン弾きなら必ず弾いたことがある曲だったこともあり、本番ではかなり緊張を強いられることになった。普通に弾いたら「何だ、こんなもんか」と思われるに決まっているから・・・ 出演の依頼を頂いてから、しばらく譜... -
お世話になった先生のお宅にお邪魔しました
今日は、昔一時期お世話になった先生のお宅にお邪魔しました。先生は体を壊されたあと、「一生弾き続けることができる奏法」を研究され、最近ヴァイオリンを教える現場に戻ってこられました。先日お電話をいただき、ヴァイオリンを教えることや奏法についてお話をさせていただくためにお伺いしたのです。二時間あまりのことでしたが、いろいろと興味の尽きないお話をさせていただきました。 先生がそうした奏法を考えられたのは、もちろんご自身が体を壊されてヴァイオリンを弾くことが困難になったということが直... -
オーダーメイド肩当て
今日は、レッスンの後、名古屋のある楽器屋さんのところにお邪魔しました。目的は、「オーダーメイドの顎当てと肩当て」です。肩当てや顎当てについてはずっと不満を持っていました。きちんとフィットする小物を、それほど高価なものでなくできないか、と考えていました。名古屋のある生徒が「肩当てのオーダーメイドを考えている職人さんがいる」と紹介してくれたのです。小一時間ほどお話をして、私がイメージしているものを伝えました。先方もいろいろとアイデアを持っていて、実りあるお話ができました。試作... -
CDの完成祝い
めっきり暖かくなりました。午前中、レッスン場所に向かう時から少々汗ばんでしまうような気温です。近くの六義園の枝垂桜も、ようやく見頃を迎えたようです。実は、3月22日からずっと「ライトアップ」をしていたのですが、二度も延長して、完全に読みが外れた形になりました。確か去年の紅葉も大外しで、ライトアップの期間がずいぶん伸びたように覚えています。この手の予想は難しいものですね。 今日は、大山さんの曲のCDの完成祝いでした。装丁をしてみると、「本物のような」感じになりました。もちろん、大... -
リズムの取り方/拍を大きく感じることと、拍を感じる位置
本来は、ウェブ講座の方に書くべきでしょうね。後で改題して加えます。 きっかけは、カイザーの11番のエチュードでした。ご存じない方のために、簡単に説明します。Es-Durで、拍子は2/4で、八分音符を三連符に分割した形で、スケールと変形が延々続く、というしろもの。このエチュードを弾いてもらうと、どうしても「二連符」になってしまう人が多いのです。名古屋のレッスンでも、見事に二人ほど、はまりました。タタタ、タタタ、と続かずに、タカ、タカ、タカ、となってしまうのです。 これには、いくつかの... -
掲示板回答 その1
掲示板から興味深いものやためになりそうなものを転載します。 ================ BARAさん 投稿、ありがとうございます。非常に高度なテーマで、たくさんの問題を含んでいますので、私の回答だけが「正解」だと思われないようにしてください。 まず、「エロイカ」の冒頭のEs、Bを、純正に調弦したヴァイオリンのピタゴラスのEsで取ることはあり得ません。普通は、ヴァイオリンでハーモニーになるように、Es、Bを高く取ります。それ以前に、オーケストラでは、ヴァイオリンのチューニングを純正に(ピタゴラスの五... -
掲示板回答その3
掲示板回答から、興味深いものやためになりそうなものを転載します。 ====================== > チューニングを平均律でするというのは他の楽器との関係でしょうか? 他の楽器との関係/調性の問題、です。 あちこちで書いていますが、平均律にチューニングすることは、耳ではほとんど不可能です。「ほぼ平均律」に合うだけです。ただし、純音ではなくヴァイオリンなどの場合、さまざまな響きの特性によって、この「ほぼ」という間隔は非常に微小な範囲に入ります。純正の響きは理解しやすいのですが、それを... -
霊感商法まがいの接骨医の話と こわーいヴァイオリンの先生の話
最近相談にこられた方の「こわーい」話です。この方はまだ二十代前半。仮にNさんとしておきます。 ヴァイオリンを始めて半年ほどの方ですが、部屋に入ってきたのを見ただけで、体が歪んでいることがわかる状態でした。腰を見てみると、案の定、骨盤が極端にずれていて、非常に硬くなっている状態でした。「骨盤をきちんとした方がいいですね」という話をして、すごい話になりました。Nさん自身、体のあちこちに良くない状態を感じていて、ある接骨医にかかっているというのです。その接骨医では、「腰の状態がとん...
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