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フォーカル・ジストニアとの闘い(F君の事例)
(序)フォーカル・ジストニアとは フォーカル・ジストニアという言葉をご存知だろうか。直訳すれば「局所性ジストニア」という意味だが、特に音楽家の運動障害(コントロール不全)に使われている。 ジストニアは、医学的には神経障害(中枢神経系のなんらかの障害)によって「意図しない」筋収縮が起こることにより、運動がコントロールできなくなったり動けなくなったりする症状を指す。代表的なものは「書痙」と呼ばれる症状で、文字を書こうとすると、手が震えたり、手首が動かなくなったり、痛みを生じたり... -
フォーカル・ジストニアとの闘い2
【2】症状 最初の症状は、フィジカルな問題(腕の筋肉の硬化)が原因であるものが含まれていた。手を触ってみて、簡単な動きをしてもらうと、その症状は以下のようなものが代表的だった。 ① 両手を前に上げ、肘を伸ばして手を振ってみると、左手首は緩んで手部が落下するのに、右手は手首がめくれ上がったまま止まってしまう。そのときに、前腕部の硬化した部分周辺が、激しく動いて(不随意の運動)、停止する。 ② そもそも右手首の可動域が極端に狭くなっていた。 ③ 右手でものをつかもうとすると、自然に手... -
フォーカル・ジストニアとの闘い3
【4】フィジカルな問題が解決する方向が見えるまでの2ヶ月間 この時期(12月後半から2月初旬まで)が、本人にとっては一番辛かったのではないかと思う。自分の方法論を完膚なきまでに否定され、私のトレーニングメニューに完全に従ってもらうまでの時期なのだが、涙を流したことも1度や2度ではなかった。「こんなことをやっていたら、いつになっても弾けないんじゃないか・・・」と諦めかけたことも1度ならずあった。私自身、「必ず治る」と言えない状況の中で、苦しみを長引かせることになるのではないか、... -
フォーカルジストニアとの闘い4
【6】姿を現したフォーカル・ジストニアの「本体」 3月に入ってしばらくすると、関節の状態や運動が明らかに変化を見せた。各関節が少しずつ柔軟性を取り戻し始め、手首の可動域も広がってきた。腕を振り上げて水平に静止させた時に、右手首も左手首同様、下に落ちるようになった。これが、私が欲しかった最初の結果だった。これで、私は当初の仮説が正しかったことを、ほぼ間違いないだろうと思えるようになった。 ************************** ●3月5日 各トレーニングのチェック ... -
フォーカル・ジストニアとの闘い(最終)
【7】一進一退のボウイングのトレーニング この段階で彼に課したトレーニングは、以下のようなものだった。 1)各種のストレッチ。柔軟性を失わないように、これまでのトレーニングをセレクトして続けてもらった 2)サポートをしてもらって、ボウイングの動きを再現すること 3)ひとりでアップだけのボウイングをすること 私の目的は、彼がフォーカル・ジストニアを発症した時点での「最初のフィジカルな反応」を見つけ出すことにあった。これまでさまざまな人たちのレッスンやリハビリをしてきて、フィジカル...
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