92_音楽を教えるということ– tax –
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アシスタント制
「ヴァイオリン教師の資質」のところに、「レッスンが必ず先生本人で一対一で行われていることが必要」と書いたのは、もう5年以上前のことです。そんなことを書いた本人が、アシスタント制を使うようになるとは、思ってもいませんでした。 私が「先生が必ず本人で」と書いた理由は、高校生の時に自分が先生の代稽古をさせられた体験の反省からでした。教えることはそんなに簡単なことではなく、弟子が簡単に先生の代わりをすることなど許されないと考えたからです。また、友人の大手ヴァイオリン教室の先生が、「... -
ヴァイオリン教授法の必要性
ある人がこんなことを言っていたのを聞いたことがある。ちょっと過激な意見なのだが、顔をしかめないで聞いて欲しい。 「音大生って、毎日ヴァイオリンばっかり何時間も練習しているのに、どうしてそんなに上手くならない人がいるんだろう?」 この意見の真意は、「練習方法を考えれば、もっと伸びる可能性がある人が多いのではないか。多くの人が練習方法を間違っているのではないか」というところにある。練習している当人に「あまり上達しない」原因を求めているのだ。 これを聞いて、私は「教える側の問題も大... -
先生は誰のための存在か
いじめの問題が世の中を騒がせている。先生が主導していじめを加えて生徒を自殺に追い込んでしまった中学校の事件の論評を見ていると、「言語道断」「こんなひどい先生は少数派」「他の多くの先生は一生懸命にやっている」という「評論家」「コメンテーター」の話をよく聞く。果たして、本当だろうか。イジメは、生徒が死なないと発覚しないことがほとんどである。しかし、いじめられた側、特に、力を持った権力者にいじめられたものは、ほとんどの場合、忍従を強いられるのである。表面化しないだけであって、実... -
音楽教育の最初に見せるべきもの
これも以前から書こうと思っていたことである。 「最初に何を見せるべきか・・日本の音楽教育の致命的勘違い」 オーケストラプレーヤーの間に、「音教オケ」という言葉があった。(今もあるかどうかは知らない)意味するところは、「子ども向けの音楽教室を専門にやるオーケストラ」ということである。ほとんどの場合「一発もの」で、継続的にやられているものでも、「メンツはその時によって違う」ことがほとんどだ。プロモーター(オケの中では人集めをする人を「インスペクター」と呼ぶところが多いよう... -
音楽教師の資質1…生徒と先生の相性 〜発表会を見て先生を判断する法
音楽を教える、楽器を教える、ということがどういうことなのか。とても大きな問題です。最近、ある先生にとても腹がたったので、以前から思っていることを書いてみる気になりました。 その先生は、芸大出身のヴァイオリンの先生です。生徒さんもたくさんいて、大にぎわい。縁あって、その先生のお弟子さんの一人を、何回かレッスンすることになりました。この生徒さんは、まじめに練習をするのですが、どうも「音楽する」ということに楽しみが感じられません。本当に楽しんでいないのか、楽しみを表に出さないのか... -
音楽教師の資質2…ヴァイオリンのボウイングを例に
音楽の技術を教える、という作業が個人対個人のものである、また、マニュアルが存在しない、ということを、ヴァイオリンのボウイングを例にとって説明します。 ヴァイオリンという楽器は、肉体的にいろいろな無理を要求します。左手は「ねじった」ような形を強いられますし、右手は「ひねった」形を要求される場合があります。子どもの頃からヴァイオリンを弾いていると、体の形がかなり変形します。昔私が腱鞘炎をやってしまったときに、整体の先生にかかったら、何にも説明していないのに、「あなた、ヴァイオリ... -
音楽教師の資質3…何を育てるのか/模倣と独創
「天才」という言葉を聞いてどう思いますか。才能を持って生まれ、小さい頃から周りが驚く能力を発揮し大芸術家になっていく・・・そんな人を想像するでしょうか。音楽史上、モーツァルトなどの作曲家、多くの演奏家(現代ならみどりちゃんとか、龍君とか、ヴェンゲーロフとか)がそう評されてきました。では、「才能」は単なる遺伝子的な問題なのでしょうか。(その人の才能を見抜く、という点については次項) こんな仮定をしても仕方ないのですが、例えばみどりちゃんが音楽に全く縁のない家庭にうまれたとしま... -
音楽教師の資質4…子どもの能力を見抜くこと
子どもの能力はとても測りにくいものです。それは、言葉の通じない外国へ行って医者にかかるのに似ています。 急な腹痛を起こして、言葉の通じないところで病院に行ったとします。顔からは脂汗を流している。おなかを抱えて体をくのじに折り曲げている。どうやら、おなかが痛いということは通 じそうです。場所も・・・なんとかなるかもしれません。「どういう風にいたい?」これはちょっと難しいですね。「薬のアレルギーありますか」ああ、もうお手上げです。 子どもがどんな能力を持っているかということを見抜... -
音楽教師の資質番外編…頭の悪い音楽教師
最近、大人になってヴァイオリンを始める人が増えている。その増え方も半端じゃないようだ。ネットでHPを探すと、レイトスターターのホームページがいくらでも見つかる。そんなページの一つの特徴は、BBSを設置しているところが多いこと。仲間が集う場として機能しているのだろう。それはそれでよいのだが・・・ 幾つかのサイトを見て回って、あまりにレヴェルの低い「議論」がなされているのを知った。この「レヴェルの低い」ということには、二通りの意味がある。「議論になっていない」という「論理的な」...
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