4_アンサンブルレッスン– tax –
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〈序〉アンサンブルweb講座にようこそ
ウェブ上でできること、というのは限られています。でも、実際に知っておいた方がよいことはたくさんあります。このページは、基本的に私がトレーナーをしている「ストリングアズール」のメンバーや、これからアンサンブルに参加するであろう人たちを念頭に置いて書き進めていきます。 学生時代からいろいろなオケやアンサンブルに参加してみて、とても不満に思っていたことがあります。一つは音程。もう一つは、一緒に弾くために何をしたらよいのか、ということがどうもピントがずれているような気がしたことです... -
番外編「その場飛びの悲劇 〜○○ブリ退治の法則〜」
楽器を始めたばかりの人には、すぐには関係ありませんが、思い立ったことは書いておかないとわすれちゃうので、書いちゃいます。 アマチュアのオケでモーツァルトを聴くと、とても気になることがよくあります。それは、「スピッカート」いわゆる「飛ばし弓」です。これは、歯切れよい音を出すのにとても便利なツールなので、指導者も、しばしば「ここは飛ばして」と要求することがあります。飛ばし弓の技術や、どんなときに本当に「飛ばす」のか、ということは別 項に譲りますが、ここでは、多くのアマチュアが陥... -
lesson 2-2「トレーナーとは?」
最近、オーケストラのトレーナーが何をする人か、ということがあるところで話題になりました。トレーナーとは一体何をする人なのか、少し考えさせられました。僕自身、アマチュアオーケストラの弦トレーナーをやっていたこともありますし、今はストリング・アズールの「トレーナー」を名乗っていますが、オケでトレーナーとしてやっていたことと今とではコンセプトが違います。今回は、「どんなトレーナーがよいのだろうか」ということを考えてみます。 僕が「トレーナー」という存在を認識したのは、大学オケでの... -
lesson 2-1「ザッツ、アインザッツ」
前々から書こうと思っていたことですが、アマチュアのトップ奏者の中に「勘違い」をしている人が多いことが気になっていました。何かというと、「トップとはザッツを出して演奏をリードするものである」と思い込んでいる人が多いことです。 アマオケを聴きに行くと、それこそ自分のパートが出るたびに大きく振り付けをして指示するトップに出会うことがあります。これ、ほとんど意味がないんですね。 先日、知人があるオーケストラに参加したときのこと。コンサートマスターは、現職のプロオケのコンサートマスタ... -
lesson 1-9「テンポの取り方…大きな誤解を解く」
アンサンブルをしていると、「走るな!」とか「伸びてる!」と怒られることがありませんか?そういったとき、どうやって解決しようとしているでしょうか?多くの指導者は、「ちゃんと細かく数えて!」と指示するようです。場合によっては、手を実際の音符より細かく叩いて、テンポを一定にする練習をします。果 たしてこれは良い方法でしょうか? 「どんかま」という言葉をご存知ですか?スタジオで録音をするとき、テンポを一定に保つために、メトロノームのように音を出したり、一定の間隔で点滅(交互に点灯)... -
lesson 1-8「オーケストラと指揮者の関係」
以前のドレ会のときにも、「指揮者とオケの関係」についてたくさんの質問を受けました。このような簡単な「紙上レッスン」で語れるようなものではないのですが、基本的なことを述べておきます。 まず、指揮者がオーケストラをどう考えているか、ということを知ってください。 指揮者がオーケストラを振るとき、おおざっぱに言って二通りの考え方があるようです。一つは、指揮者は音楽を創る「独裁者」である、というもの。極論を言えば、楽曲全体のことは指揮者だけが認識していればよい、そしてその音楽を実現す... -
lesson 1-4「旋律と和声の音程の基礎知識」
旋律と和声の音程では音程が違う、という話を聞いたことがある人も多いでしょう。今回は、それを理屈で理解するための基礎知識です。人間の耳は、単純な周波数比の音をきれいであると認識する、ということを、Lesson2「純正調と平均律の基礎知識」で述べました。今回は、このことを利用して、和音と旋律の音程の秘密を探ってみます。 ◎ 和音の秘密 ◎ 音を発する物体は、その音だけでなく、その音の倍音列の音も発しています。倍音、というのは、読んで時のごとく、整数倍した音、という意味です。簡単のために、... -
lesson 1-1「チューニング」
◎ チューニングの大切さ ◎ アズールのいわば「前身」である「ドレ会」では、チューニングが名物でした。練習が始まって、時には一時間近くをかけて、全員のチューニングをします。なぜこんなことをするのか、と、結構批判もありました。みんな「弾きたくて」参加しているのに、チューニングを延々やられたんではたまらい、という批判です。その気持ちもわからないではないのですが、「耳を鍛える」ためには、どうしても「正しい音」「正しい響き」を理解することが必要です。そのためには、開放弦が合っていない... -
lesson 1-2「純正調と平均律の基礎知識」
音楽の理屈を知ること自体が目的ではないので、詳しくは書きませんが、純正調と平均律の話も、基本的なことは理解しておいてほしいと思います。 音は波です。人間の耳には、この波の周波数(一定の時間の空気の振動回数。通常は1秒間に何回振動するかで表示する)が、簡単な正数比にある二つの音を「美しい」(はもる、ということです)と判断します。チューニングをするときのA音は、通 常440Hzから443Hzの間の高さの音を使用します。440Hzとは、1秒間に440回振動することです。振動数が減ると音は低く、増える... -
lesson 1-3「弦楽器の発音」
第3回目は、弦楽器の発音についてです。そんなん、楽器の奏法のテクニックの問題じゃん、と言わないでください。アンサンブルにも密接に関係することなんです。 プロとアマチュアの差、と言ったときに、何を想像しますか。そんなもん、たくさんありすぎて・・・まあそう言わずに話を進めましょう。 弦楽器の達人とそうではない人にはっきりとした違いがあることの一つに、音の立ち上がり、があります。本当に上手な人たちに混ざって弾いていると、周りの人たちの音が「先に出てくる」ような感じがするときがあり... -
lesson 1-5「スケールの音程」
前回、旋律と和音で、なぜ、どのように音程が違うのか、という仕組みの基礎を書きました。今回は、これを使って、「正しいスケールの音程とは何か」ということを述べます。 まず、下の表を見てください。右の三つの数値は、主音からどれだけ離れているか、ということを、オクターブの間を1200でとった対数値で示したもの(セント、と呼びます)です。和声の時に気持ちよく聞こえる幅、平均律、旋律の時に気持ちよく聞こえる幅、の順で記述してあります。 音階上の音 主音(ドレミのド) レ ミ ファ ソ ラ シ ド 和... -
lesson 1-6「音の形を認識しよう」
音に形があるの?一体何のことだかわかりますか。 音・・・これはとても不思議なものです。よく使われる言葉でも、「音の形」(そんなもん、見えるんですかぁ?)「速い音、遅い音」 (音速は温度などの条件次第で一定でしょ?)「深い音」(音は波でしょ?深さって何ですかぁ?) などなど。どのような意味なのか、ちょっと考えてしまうことがありませんか。 かくいう私も、トレーニングをしているときに、イメージしていることをなるべく正確に伝えるためにどのような言葉を使ったらよいのか、言葉遣いで悩むこ... -
lesson 1-7「合わせるということについて」
やっと「アンサンブルのレッスン」らしい題名になりました。まず、「合わせる」ということについての根本的な私の考え方を述べてみます。 よく、「指揮を見る」とか「ソロに合わせる」「トップに合わせる」などという表現を使うことがあります。これらの言葉が持つ意味は、一体どのようなことなのでしょうか。 まず、二人でする演奏について考えてみましょう。「ヴァイオリンソナタ」などのようなものでもいいですし、同族楽器のアンサンブルでもかまいません。さて、この二人が「息のあった」演奏をするためには...
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