3_音程と音律入門– tax –
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〈序〉Web講座「音程と音律入門」について
このコンテンツは、生徒向け「理論講座」で「音程講座」用に作った資料です。ヴァイオリンの音程の仕組みや音律についての基礎的な理解を求めるための内容になっています。実際にはこの資料を用いて講習会を行なったので、説明が抜けていたり飛ばしてあったりするところがありますが、音律を簡単に理解するためには役に立つと思い、ウェブにあげることにしました。 最後の「音程に関する資料」の中には、特に初学者が陥りやすい「音程のミス」がまとめてあります。練習の指針になると思いますので、ご活用ください。 -
〈1〉音程を考えるための基礎知識など
(1)音程を考える順序 実際の音程理論に入る前に、ヴァイオリンの音程を論じるときに必要なことを、まず流れとして把握していただきたい。音程を考える考え方そのものを理解していない方があまりに多いからである。簡単にまとめると、ヴァイオリンの音程を考えるまでの道筋は以下のようになる。 1)音程を決めるのは、振動数である。音律の根本は、音の間隔を周波数比で表すことで理解できる。 2)どのような音を人間は心地よいと感じるか → 心地よい音程は、同時に複数の音が鳴る時と、音が時間経過とともに... -
〈2〉音律の基礎
(1)音律とは何か 結論から言うと、音律とはオクターヴをどのような間隔に分割するかという方法を示す。音律、すなわちオクターヴの分割方法はさまざまに提唱されてきた歴史的経緯がある。ヴァイオリンの演奏のために理解する必要な音律は、純正律、ピタゴラス音律および平均律の三つである(室内楽の場合ミーントーンを理解していた方がよいこともある)。各音律の違いは次項以下で述べるが、簡単に音律が必要である理由と歴史的な経緯を述べてみよう。 オクターヴが美しい音程であることは、古代ギリシャの時... -
〈3〉ヴァイオリンの音程構造
(1)ヴァイオリンが本来持っている音程の基本構造1(純正音程) ヴァイオリンが持っている音程構造のうち、音の性質からただちに結論付けられるものが、弦長による音程の違いである(当たり前のことだが)。音程構造、などとご大層に語られるべきものでもないが、フラジオレット(ハーモニクス)の理解のためにも、波動の比を復習するためにも、弦長と音程の関係を見ておこう。 開放弦のG線上で、弦長と音の関係を確認する。音程は、弦長と反比例の関係にある。開放弦のG音を周波数1とすると、二倍音である... -
〈4〉音程に関する資料
(1)ピタゴラス音律、純正律、平均律の音程表 こうして、セント値を一覧表にすると、書く音律の性格がよくわかる。純正律とピタゴラス音律の完全5度(オクターヴ内で裏返せば完全4度)が数値として同じことや、長3度が純正律とピタゴラス音律で極端に乖離していることもよくわかるはずである。図表の数値を覚える必要はないが、ピタゴラス音律の数値は簡単に作ることができる。ピタゴラスサークル上で隣り合う半音は90セント、全音は204セントになるだけだからである。主音をCに取ると、短2度(D♭)が...
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