2_ヴァイオリン練習法とレッスン– tax –
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はじめに・・・練習法の考え方
ヴァイオリンが上達するためには、効率の良い、正しい練習が必要です。今回は、さまざまなトレーニングを必要とするヴァイオリンの技術を習得したり音楽的な演奏をしたりするためには、どのような練習をするべきなのか、ということを考えてみましょう。「こうすればできるようになる」ということではなく、「できるようになるためにはどのように考えるべきか」ということを理解してもらうのがこの講座の目的です。この点を最初に確認して読み進めてください。 -
1.日々の練習の意味…レッスンとの関係
レッスンと日々の練習とは、進度により、また習得すべき内容によって、関係性が異なります。このことを理解しているかどうかで、練習の効率と獲得できるモノがかなり違ってくるのです。レッスンと日々の練習との関係は、概ね以下のように分類できます。 1)レッスンで新しい技術を習得し、それを日々の練習で定着させること レッスンの場で「できた」新しいことを、練習で再現し、いつでも使える自分のアイテムとして格納する作業がこれにあたります。ヴァイオリンを始めたばかり、ないし、先生を替わった直後な... -
2.レッスンと練習の関係性による分類に従ったレッスンと練習上の注意、総論
まず、レッスンと日々の練習の関係性による分類に従って、練習がどのようなものであるべきかを考えてみましょう。 1) レッスンで新しい技術を習得し、それを日々の練習で定着させること この分類に当てはまる奏法や体の使い方を正しく練習するためには、まず、レッスンで行われたことをしっかり理解することが必要になります。「なんとなく」運動を覚えるのではなく、その運動によって得られる結果を理解することが必要なのです。最初に補助をつけるものについては、補助をしたときと補助を取り去ったときの違い... -
3.練習法の組み立て
まず、メニューインの言葉を引用します。 右手、左手を問わず、テクニックを向上させるさいには三つの段階を経る。第一の段階は関節を幼児のように柔軟にすること、これは各関節ごとにチェックする必要がある。第二の段階はその柔軟な動きを整合させ、弾力性およびバネの力を増進させること。そして最後にくる第三の段階は力強さ、堅固さ、自由さをさらに発展させること。この三つの段階は順序を変えては決して生じ得ない。たとえば堅固さが弾力性よりも先にきたとすると、硬直という悲惨な結果を生むだけに終わっ... -
4.スケール、分散和音を練習する意味と練習法
カール・フレッシュがスケール・ブックの前書きで述べているように、スケールを練習することは、音程感覚を身につけて実戦で利用できるものにすることと、さまざまなスキルアップを図る意味があります。 「音程」とは、音の高さの相対関係のことで、スケールと分散和音は、基本的な音のつながりを理解するために重要な練習です。と同時に、実際の楽曲でも旋律の基本となるのがスケールや分散和音なのです。よく引き合いに出すのですが、モーツァルトやベートーヴェンの曲に登場する旋律たちの多くは、スケールや分... -
5.音程矯正法
最初に、指導法研究会用の資料に目を通してください。 ************************ 音感を鍛えること、音程矯正法 1)音感とは何か まず、音感とは何かということを定義する。音感とは、音を判定する能力のことである。音には、高さ、強さ、音質などのさまざまな要素がある。複数の音になると、音の間隔を判別すること、協和するかしないかを判定することなどの要素も増える。これらを聞き分け、何らかの判断(音の高さが合っているか、はもっているか、強弱の差を認知するなど)をするこ... -
6.速くすること
まず、サイトに上げた文章を再掲します。 ************************* 速いパッセージを練習するために言われてきたことはたくさんあります。主に推奨されてきたトレーニング法は、 1)ゆっくりからメトロノームなどを使って徐々に速くしていく 2)限界より少し速いテンポで強引に弾いて動きを作っていく 3)指を指板になるべく近づけて置いて、小さな動きではっきりとした運指ができるようにする 4)同じ動きをくり返し練習して反応を速くする 5)無駄な動きをとる、脱力を確認する... -
7.左手の基礎訓練・・開くことと縮めること、強くすること、速くすること、安定させること
スキルを上げることは一回の講座でできるようになる訳ではありませんが、今回はさまざまな問題点への対処法を示して、左手の訓練の考え方を構築する一助になれば、と考えています。 左手の訓練を大きく分類すると、 1)手の運動自体の訓練 2)頭の働きの訓練 3)手と頭のコンビネーション 4)耳との連動 5)右手との連動 の五通りになります。それぞれ、練習方の考え方は異なるのは当然で、この峻別ができていないと的外れな訓練になってしまって効果が上がりません。 例えば、速いパッセージで指の運動が間... -
8.右手の練習法
総論部分や各論(速度を上げること、左手の練習法など)で取り上げた基本的な発想は、右手の練習法にも全く当てはまります。ここでは、右手の練習に特有なポイントに絞って、練習法の構築術を考えてみましょう。 (1)基本的な留意点 右手の練習をするときに最も大切なことは、楽器が鳴っている状態が基本にあることです。どのような奏法を練習するときでも、楽器が鳴っていることを意識しなくてはいけません。ppで演奏するときであっても、楽器が鳴っている状態と鳴っていない状態では、比較にならない差がつ... -
9.メトロノームやチューナーの使い方
あちこちで、コルグのOT-12のことを書いている身としては(苦笑)、チューナーの使い方についてもきちんと述べておく必要があるでしょう。そもそもOT-12のことを取り上げたのは、現在、普通に買えるチューナーで平均律以外の測定ができるものがこれしかなかったからです。チューナーはきちんと使えば、音程を修正することができる「可能性が高い」機器ですが、使い方を間違えると全く意味をなしません。そのあたりのことを理解していただくために、チューナーの効果的な使い方を知っていただきたいと思います。 ... -
10.エチュードの使い方、練習法
エチュードの利用法は、生徒側の問題というより、指導者側の理解の問題でしょう。今回は、私がどのような意図でエチュードを使っているかということを説明するので、練習の効率化、理解の一助にしてください。 (1)奏法を実践的なものにする エチュードの練習にはたくさんの意味合いがありますが、最大の目的は、理解した奏法やテクニック、音楽的な処理を実践的に習得することです。奏法を例に取れば、最初は基本的な運動を理解していただき、開放弦、スケール、単純な運動などで覚えていただいた後、エチュー...
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